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~ 迷える子羊ならぬ 迷えるメシアの戯言 ~   "狂乱の貴公子" The Messiah, Ronald Oscar のブログ(仮)
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Ronald Oscar
神聖ゴルゴタの陸メタルの会総帥 / KILLING ROSE リーダー(Vo/G)
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マット界に激震が走った三沢の死。

広島県警の発表によると、死因は
頸椎(けいつい)損傷に伴う頸髄離断とのこと。

他団体の各選手からも追悼コメントが寄せられたり、
14日の新日本 後楽園大会でも追悼式が行われたりと、
その影響力、人望の厚さが窺えるが、
やはりレスラーにとっては試合中の事故で亡くなるという
事態に対する衝撃も大きかったと思う。

つまり、その可能性は、どの団体のどのレスラーにでもあるのだと。
レスラー各人にとって、まさに人事ではないのだ。
その死は他の死とは大きく意味合いが異なる。

しかも、それがメジャー団体であるノアのトップ、
受け身の定評もある天才、三沢の身に起きたとなれば、
同職の人間にとって、そのショックは計り知れないはず。


ここで改めて書くまでもないが、敢えて書くと、
プロレスという競技は非常に危険なのである。

新日本のレフェリーだったミスター高橋の暴露本や、
高田延彦の暴露本、『Pride!』進出、という
関係者だけではない、レスラー自身によるプロレス否定が公になり、
その権威は失墜した。

加えて最近ではハッスルのようなWWE とはまた違った
エンターテイメント路線の出現や、
団体と呼べるのかも解らない自称インディ団体の乱立などで、
いわゆる「素人」やそれに毛が生えたくらいの人間が
平気でリングに上がるようになった。

これによりプロレスは総合格闘技などとは違い、
危険ではない、誰にでもできる紛い物という間違った認識が
世間にまかりとおってしまったのではないだろうか。


「プロレスは危険ではないのか?」
「誰にでもできるのか?」
「弱くてもプロレスラーになれるのか?」

答えは全て「No」である。

レスラーは常人では怪我をするような危険な場面でも耐え得る
頑丈な体を作る必要があるし、
不測の事態が訪れても対処できるだけの
身体能力がなくてはならない。

つまり、自分の身は自分で守らねばならないと。
これは力道山時代から変わりなく、
レスラーはそのために練習をした。

プロレスラーは強くなくてはいけないし、
強くて当たり前でなくてはいけない。
それは総合格闘技の試合に出て勝つだの負けるだのいう次元以前の話。
本質的に強くなくてはいけない。
そのためには練習しなければいけない、と。

しかしプロレスラーとて人間。
致命的なダメージを負ったり怪我で欠場、引退することもある。
そうならないためにも鍛えているわけだが、
やはり限界はあるし、鍛えられない部分もある。


プロですらそうなのに、自称プロの超インディ団体の素人レスラーが
基礎練習をしないで大技の練習をしているということもあるらしい。
危険度の高い大技などは、技をかける方も受ける方も
基礎練習によって培われた頑丈な肉体が要求されるのに、だ。
きちんとトレーニングを積んでいる多くのレスラーも
歴戦のダメージの蓄積で皆どこかしら故障をかかえているというのに…。


最近のプロレス業界のいくつかの疑問点の中に
このように正しいトレーニングを積んでいない素人がリングに上がることと、
技のインフレがある。


技のインフレ。
簡単に言ってしまえば、より激化している、ということだ。

ゲームや漫画の世界でもそうだが、
最初の頃はパンチや蹴りで決着が付いていたシーンも、
回を重ねるうちにどんどん現実離れし
激しいものになっていくのと同じこと。

プロレスの場合もひとつのフィニッシュホールドがある程度見慣れて
新しい技が登場すると、今まで見慣れたフィニッシュホールドが
単純なつなぎ技までに降格してしまう。
そしてその技では試合が決まらなくなり、
受け手側も心理的にもっとを要求し、
送り手側もより激しく威力がある(ありそうな)
派手な技を開発する必要が出てくる。
こうして技のインフレという一種の悪循環が繰り返す。

見ていて華麗で激しく威力がありそうな技。
多分、観ている方も、やっている方も、それが醍醐味なのかもしれない。
言い換えればより危険度が増すということ。

しかし単純な技、例えばボディスラムひとつとっても技だし、
特にキャリアのあるレスラーは、
首や腰に当たり前といっていいほど故障をもっている。
観ているファンが地味に感じるつなぎのボディスラムも
レスラーにとっては耐え難い場合もある。

ちなみに今回三沢が受けた「バックドロップ」とは、
相手を後から羽交い絞めにして
そのまま後へ投げ捨て頭部を強打させるという投げ技で、
その昔ルー・テーズの代名詞であったかつての大技。

「かつての」というのは、今ではフィニッシュホールドに使われる機会が
ほとんどなくなってしまったという意味だ。
後藤達俊のように「殺人バックドロップ」の異名を取って
フィニッシュに使っているケースもあるが、
技のインフレにより、多くの場合、つなぎ技になっているのが現状である。

しかし今回の三沢の件を考えるまでもなく、
バックドロップは威力がある技である。

それがインフレ化すると…。

見た目の派手さと実際の威力は必ずしも比例しないが、
レスラーに何らかの負担は増すことは事実だ。


そしてその負担が増えた、進化している「プロレス」を
プロのトレーニングの積んでいない素人が
進んで行おうとしているという現実にも目を向けなくてはいけない。


実際悲劇は起きている。

代表的な例を書くと、昨年10月、インディ団体の自称プロレスラー、
菅原伊織と佐野直が、サラリーマンで新人の由利大輔さんに対して
練習中に、大技「ダブルインパクト」を強制的に敢行。
由利さんは首の骨を折って死亡した。

「ダブルインパクト」とは、相手を一人が肩車で担ぎ上げ、
もう一人がトップロープから飛び込んでラリアットする合体技。

このニュースは一部で大きな論争となっており、
ここではその詳細は省くが、
問題なのは、菅原も佐野もメジャー経験が皆無な
「自称」の域を出ない「プロレスラー」なこと、
そして由利さんに至っては、「自主興行」にて「デビュー」こそしたものの、
リング上での練習が3回目というサラリーマン。

多少なりとも経験がある人間が、全くの素人相手に死に追いやったとして、
この6月に、菅原、佐野、他1名が業務上過失致死の疑いで、
東京湾岸署にやっと書類送検されたが、
まさに素人がプロの真似事をやって起きた悲劇としか言いようがない。


このようにプロレス業界は、自称「団体」、自称「プロ」な、
アマチュアなプロレスラーが存在するという不思議な世界。


今回の三沢の件を重く見た各方面は、
18日、元プロレスラーで衆議院議員、
自民党文部科学部会長、馳浩の呼びかけにより、
プロレス界からは新日本の菅林社長、全日本の武藤社長、
そしてノアの仲田取締役総括本部長らが、
政界からは、森喜朗元首相などが出席して、
自民党文部科学部会・文教制度調査会合同会議で
再発防止策などを協議。
ライセンス制の導入や統一機構の設立などが検討された。

くしくもこの日は事実上頓挫、自然消滅していた統一機構、
グローバル・レスリング連盟(GPWA)の会長を務めた
三沢の47回目の誕生日。

かつてのGPWA は形骸化してしまったが、
三沢の意思が発展した、また別の新しいかたちでの
プロレス業界のスタンダードが、
皮肉にも三沢の死によって確立しようとしているが、
それだけに三沢の死を無駄にしてはならない。



最後に思いつくだけだが、試合中に亡くなったレスラー、
最後の対戦相手や技などを記載しておく。

対戦相手に関しては、色眼鏡で見られたり
必要以上に晒し者にされる必要はないが、
彼らも苦しみながら闘って生きているということを理解するためにも記載する。


プラム麻里子(29歳)
急性硬膜下出血並びに脳挫傷
(1997年8月(JWP)、尾崎魔弓のライガーボム)


門恵美子(23歳)
急性硬膜下血腫
(1999年4月(アルシオン)、吉田万里子に頭部から落とされる)


福田雅一(27歳)
(急性硬膜下血腫)
(2000年4月(新日本プロレス)、柴田勝頼のエルボー)


事故によりお亡くなりになられたレスラーの皆様
謹んでお悔やみ申し上げます。



 

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